世界初の水素エネルギー市域列車が長春で試験走行に成功

2024-03-28

出所:吉林日報

 

3月21日午前、先頭が流線型で、車体が青色を基調とした「SF」列車が中車長客軌道列車試験ラインを疾走した。世界初の水素エネルギー市域列車が長春で試験走行に成功した。

この列車は中車長客が開発し、独自の知的財産権を持っている。吉林省長春市は技術革新の町として、再び突破することで輝いた。

今回の試験では、列車の満載走行速度は時速160キロに達し、世界初の時速160キロ水素列車の全システム、全シーン、多層レベルの性能検証となった。それは水素エネルギーが我が国の軌道交通応用分野で画期的な進展を遂げたことを示すだけでなく、さらにわが省の「水素吉林」が持続的に推進され、エネルギー構造がさらに最適化され、技術革新能力が飛躍的に向上した実践である。

「水素エネルギーは、クリーンで炭素ゼロの再生可能エネルギーとして、エネルギー密度が高く、とる方法が多様で、製造と使用過程がクリーンであるなどの特徴がある」と中車長客国家軌道客車工程研究センター新技術研究部の王健副部長は言いながら次のように紹介した。世界初の水素エネルギー市域列車は水素燃料電池と超容量を結合したエネルギー供給方式を採用し、従来の接触網給電案に代わり、エネルギーは水素と酸素が水素燃料電池の中で電気化学反応を行って発生し、反応生成物は水だけで、窒素硫黄副生成物は一切なく、反応過程は安定しており、騒音も小さく、環境保護や炭素ゼロの特徴を備えている。

今回の試験過程で、列車の1キロ当たりの実際の運行平均エネルギー消費量はわずか5キロワット時で、最高航続距離は1000キロ以上に達することができる。従来の内燃動力市域車両と比較すると、水素エネルギー市域列車の列車ごとの全寿命周期は5万トンの二酸化炭素排出削減を実現でき、5万台の乗用車がそれぞれ5000キロ走行したことによる炭素排出量に相当する。

2022年12月に世界初の水素エネルギー市域列車が正式にラインオフした後、中車長客は列車の水素動力システムとその重要部品の耐久性、高低温、振動、電磁互換性、防火安全などの試験を次々と完成し、さらに異なる速度レベルでのエネルギー消費、航続距離、信頼性、牽引、制動、動力学などの試験を行って、初めて水素列車のマイナス25℃から35℃の環境下での実際の性能を検証した。その結果、各指標はいずれも設計要求に達し、列車性能指標は世界リードレベルに達した。

この水素エネルギー列車は優れたハードウェア性能を持つだけでなく、インテリジェント化の面で目立つ点が多い。王健氏によると、列車は初めて5 G大容量車地通信技術を採用し、車地情報伝送の多網融合を実現し、ビッグデータ分析で列車の運行状態を評価し、走行の安全を保障する。また、列車は数千の知能センサーを持ち、自動運転の面で、自動起動、自動停止、自動車庫入りなどの知能走行機能を実現し、運行効率を大幅に向上させた。

中車長客は将来、軌道交通車両の水素エネルギー技術の探索を絶えず深化させ、水素安全モニタリング防護技術能力を強化し、応用関連インフラを完備させ、応用基準規範体系を構築し、車両の応用を持続的に推進するということだ。